因子回転について

探索的因子分析・主成分分析における回転基準について.

ただし

・因子パターン行列の要素ごとからなる基準が多く,総和記号なども出てきて式が煩雑

・そもそも基準も沢山ありすぎて書くのが大変

という理由から,今のところはレビュー論文やテキストの紹介、簡単な特徴を紹介(というかメモ)することにする.

Browne, M.W., (2001). An Overview of Analytic Rotation in Exploratory Factor Analysis. Multivariate Behavioral Research, 36, 111-150.

欧文。数式アリ。


市川雅教. (2010). 因子分析. 朝倉書店.

日本語。数式アリ。というかほとんど数式.

よく用いられる方法の簡単な特徴

・バリマックス:直交回転。回転後の負荷行列の要素の二乗からなる行列の列内分散を最大化=列間共分散を最小化

・プロマックス:バリマックス回転により得られる負荷行列を適当に強調し、それに近づけるよう斜交回転。正直理論的にかなり微妙。けど使いやすい。

よく用いられない方法の簡単な特徴

・オーソマックス族:直交回転。バリマックス・エカマックス・コーティマックス・バイコーティマックス・パーシマックス・因子パーシモニーを下位基準として含む。

・オブリミン族:斜交回転。コバリミン・バイコーティミン・コーティミン法を下位基準として含む。因子間相関の値は、コバリミン:弱め、バイコーティミン:普通、コーティミン:強め。

・ジェオミン :直交or斜交、両方OK。回転後のパターン行列の要素の二乗の、列内幾何平均の行和を最小化。単純でない因子パターンでも割合うまく行く。

・シンプリマックス:直交or斜交、両方OK。プロマックスの改良版で理論的に洗練されている。ただし局所解が多い。ハイパーパラメータの設定が面倒くさい。

・成分損失基準:直交or斜交、両方OK。行列の要素ごとに、その要素が「0」か「1」のとき最大(直交)・最小(斜交)値を取る関数を最適化する手法。Rですら実装されてない気がする。Jennrich先生ェ…。